延岡の百物語

其の十八 「凍える女」


12月の中旬くらいに体験した話です。

配達が慣れ始めると 結構退屈な時間が多くなり、音楽でも聴きながら配達出来ればってことで、イヤホンを装着し、バイクの音が聞こえないくらい音量で音楽を聴きながら配達をしてました。

そして、あの日。
少し肌寒い朝だったと記憶してます。

いつもどおり3時近くに起床、起きてからイヤホンの選定。
その当時の私欲な時間でした。
その日は、中高音の優れているULTIMATE EARS社のUE-700をチョイスしました。
あと、その当時はウォークマンは16MBの中級機を使用していました。

家から出て配達先まではイヤホンは装着せず、配達先で仕分け後、「いざ、配達開始!」って時にイヤホン装着!!

そのとき聴いてたのは、「THE ALFEE 30 YEARS BEST」

配達を始めて30件目ぐらいのとき。

やっぱ、鬼門なのですよね、この辺り。
前回の怖い話の場所のすぐ近く。
実は、神社が近くにあるのですよね。

音楽聴いてたから、全く気にはしてなかったのだけど。

バイクで配達中に、音楽と一緒にホワイトノイズが
『ザァーー!!』
って聞こえ始めました。
「充電切れ?」
「だけど、昨日充電したばかり、おかしいな?」

始めは、気にはしてなかったが、ノイズが少しずつ大きくなっていく。

「やっぱり、充電切れなのかいな?」って思った矢先、まるで昔のカセットデッキのストップボタンを押した時に聞こえるような
『バチッ!!』
って 大きな音がイヤホンから聞こえた。

「げっ、ウォークマン壊れた?」

しかし、何か違う。

音楽は聞こえなくなったけど ホワイトノイズ見たいな音がイヤホンから相変わらず聞こえてくる。

電気はつながってる?

しかし、音楽とホワイトノイズの両方の音が切れるなら理解できるが、片方だけ切れるなんて、こんな事ありえないはず。

そして、イヤホンから予想外の音声が

『さ、さむい』

まるで、背中越しに耳元で、言われたような女性の声が聞こえた。

「うわっ!!」

さすがに、バイクを止め、ヘルメットを脱ぎ去り イヤホンを外しました。
周りを見回してもだれも、おらず。

「何、今の声?」

「あっ、ウォークマンは?」

ウォークマンの画面は正常に起動している。

恐る恐る、イヤホンに耳を近づけてみた。

THE ALFEEの曲が、当たり前のように流れていました。

さすがに、このウォークマンをするのは怖くなり、代わりに違うDAPを購入しました。

(語り部:清家さん)


[記事公開日]2014/06/19


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